2015年8月7日金曜日

中二病を発散させたくなった

絶対貧乳宣言は怒られそうなので休んでおいて(´◉◞౪◟◉)


--究極魔導師

「はっ・・・はっ・・・」

---切れた息、脚が棒の様になってもまだ走る。

「はっ・・・はぁ・・・ぜぇ・・・」

---脚が止まる、都市の裏路地。今日も無事に仕事が終わる。

「はっ・・・今日はっ・・・危なかった・・・。5人で追われるなんて知らねえよ・・・」

---『彼』の名は『アルパ』この裏路地から街に掛けてスリや窃盗で生活している若者である。
彼には仕事が無かったのだ。

「はっ・・・はぁ・・・。」大きく息を吸い、吐く。呼吸は整っている。

「さ、とっとこれで今日の飯でも買いにいk」
その瞬間、アルパは空と地面を交互に見て。地面に叩きつけられた。
「へぐぅ!?」
情けない声を上げる、背中から叩きつけられた身体はうめき声以外の声が出ない。かろうじて首を動かし上を見る。
「ほう・・・ワシの財布を盗んだのがこんな童たあのぉ・・・」
---老人である。身なりはそれなりに良さそうではあるがそんなこと今は重要ではなかった。
 『え?俺こんな爺に追いつかれて?転ばされ・・・?え?』
---混乱していた、自分に自信があるだけに混乱は更に増した。
「で、ワシの財布はどこかいな・・・っと」
---彼の懐に手を伸ばす、混乱している場合ではない。苦しいが大きく息を吸う。
「離れろ!」「ほ?それは無理じゃな、あんた逃げるじゃろ」
「我が元から!」『ほ?詠唱?魔法使えるんかこいつ』

「『巻き上がれ!!』」

---砂埃が巻き上がった。
「・・・ほ・・?これが魔法か・・?」
「絶えず!!」『ほ?2種?こやつ』
「『流れろ!』」

---こぶし大の水球が宙に浮く。

「ほ・・・お主魔法使えるんじゃがいかんせん規模が」
「熱く!!」『3種!!・・・思わぬところで!!』
「『吹き上がれ!!』」

---老人の目の前に火花が散る、思わず後ずさる。
後ずさったところに砂埃を含んだ水球が顔に当たる。
「わ・・・っぷ・・・面白いことするのぉ、見えぬぞこれは」
 「動かず!」『まだあるんかい!これは本当に』
「『裂けろ!』」

---老人の後ろの地面が5cmほどへこむ、老人はつまづき尻から地面に落ちる。
「ほ・・・っほ・・・!!これは・・・」
「己の目の前で!」『・・・もしや5種!!』
「『輝け!!』」

---老人の目の前に指先ほどの小さな光が生まれた。
「ほ・・・?(なんじゃこれ小さいぞ・・・)」
「・・・・」「・・・・ッチ」

ダッ

---アルパは踵を返して走る、尻もちのついた老人よりも明らかに早い自信がある。
はずなのに、また空と地面を交互に見た後に地面に叩きつけられる。

「ほぐぅ!?!?」

「まったく、とんでもない才能に出会ったのう・・・。街は歩いて見るもんじゃな。
さて・・・、『動きを、与え』」


---ブォン
アルパの身体が宙を舞う、そして1回転、2回転。そして、地面へ
「おぐぉ!?」

---明らかに魔法、それもアルパが使っていた規模の魔法とは違う。人一人を浮かせて自在に動かすなど早々できるものではない。アルパが『盗る相手を間違えた』と悟らせるには十分な魔法である。
悟った時には7回ほど地面にたたきつけられ意識を失う直前ではあったが。

・・・・・・・・
・・・・・
・・・


----何も無い部屋で目を覚ます。ああ、ついに捕まったのか。
この街の犯罪はとりあえず牢に入れられ、その後で法の裁きを待つ。
「何年・・・いることになるんだろうな・・・」

---など思っていたが何かがおかしい。
「牢って鉄格子とか無いもんか・・?」

ーーー何もない石造りの部屋にドアが1個、窓にも特に塞がれてるような様子は無い。
疑問に思っているとドアが開いた。

「ほほ、4日で起きよったか。結構骨バキバキにするつもりじゃったが丈夫じゃのぉ・・・」
「!!!」

---老人である、街を歩いて居た時よりも身なりであることが装飾品を見ればわかる、それと。
「魔導師ローブ・・・!」
「ほっほ、やっぱりわかりよるか!それだけ使えれば考えることは皆一緒だからの」

---魔術師ギルド
冒険者の為の組合があるように魔術師や魔法使いのための組合も存在する。
基本的にはこの地域の根幹を成す召喚魔法の研究が中心だったはずだが、いつの間にか魔法使いの寄り合い所帯として様々な魔法や流れ着いた物や者の研究をする機関ともなっている。
なお、冒険者ギルドとはまた違うランク付けを行っており上級の者にはローブなど「より魔法使いらしい」格好を送られている。

「盗る相手を間違えた・・・、くそが!!」
---精一杯の悪態である。
「ほっほっほっほ・・・わしから盗るなど50年は早かったのぉ・・・それにしてもお前さん、どこでその魔法を身につけよった?」

---老人の興味は財布ではない、既に彼が使った5種類の魔法に興味は移っていた。
この世界における魔法は一人で大体1種類~3種類が使える程度、2種以上使えるだけでも珍しいのにこの男は5種類は使って見せている。興味が沸かないはずがなかった。

「・・・・・・独学だ。」
「ほ!!?」
「盗みに入った時に魔法の本があった、それを集めて、読んで、練習した。」
「ほ!!!??」

---老人の「ほ?」の声が大きく、少しだけ興奮を帯びてくる。
『ありえん、本を読んで魔法を身につけた?それも5種も?』
「どんな本じゃ?そんな魔法を身に付けるほんなんざわしも読みたいのじゃが。」
「大した本じゃねえよ、それに盗んだのは学校の本棚だ」
「ほほ!!?」
『学校の本棚にある本・・・?まさか』
「お前さん・・・字が読めるか?」
「あ?読めるわきゃねえだろ」
『やはり!!』
「お主・・・それ絵本か!!」
「そうだよ、馬鹿にしてんのか?絵本で魔法覚えたって」
「ほ・・・ほおおおおおおお!!!?」

---老人は驚愕していた。それと同時に興奮によって熱り立ってもいた。
『こいつぁ・・・神がいるなら感謝どころか1晩、いや一生神の愛人になってもいいわ!とんでもないもん拾っちまった!』

「くくく・・・『与え』坊主、名は」
---アルパが宙に浮く、名前を言わなきゃ叩きつけるぞという脅しか、アルパから血の気が引き目から光が消える、トラウマになっているのだろう。

 「・・・・あ・・・・アルパ・・・」
「ほう・・・、なあアルパよ」
「・・・・おろして・・・ください。」
「ほ・・・しおらしいのぉ・・・。」
 
---アルパをゆっくりと下ろす、宙に浮かせるだけでここまでしおらしくなるのはちょっと過剰なくらいやり過ぎたかと老人は反省もするがそれも次の歓喜と興奮にかき消される。

「どうじゃ?わしの弟子にならんか?」
「・・・・あ?」
「まあ、断ったらまた叩きつけちまうがな!条件は三食睡眠付き、時々駄賃もやれるし・・・それに」
「・・・・」
「お主ならとんでもない魔法使いになれそうでな。少し手を出させてほしいんじゃよ。」
「・・・嫌dふぐぅ!!」

---叩きつけられた、情けない声が出る。
「だから断ると叩きつけると言ったじゃろ?」
「俺は、盗賊になる。」
「ほ?」
「盗賊ギルドを見つけて、盗賊の長になる。」
「ほ?」
「だから魔法使いにはなrふgぅ!!」
「それでもええよ?」
「ふごぉ!」

---老人は少し面白くない様な顔をしながらアルパを叩きつける。3度も。
「わしはお前さんの才能がみたいんじゃ、それに鍛えれば盗賊としても良い仕事ができるかもしれんぞ?」
「ほぉぐ!?ほlぐぉおお」

---4度、5度、6度 叩きつけたところで観念した。
「わが・・・わがり・・・まじだ・・・」
「ほ、盗賊はしても構わんぞ?わしのところへ2日に1度来い、飯と勉強じゃ。まずは文字の読み方から学ばせてやる。」
「あ・・・ばい・・・」

----気絶、少しやり過ぎたかと反省する老人。
「ほほ、若い才能ってのはなぜこんなに滾るのかのう・・・。わしが生きてる間に見ることができるかのう。究極の魔法使いに、こいつがなれるといいのぉ。なんせ見たことないもののぉ。」

「・・・・・・」


----20年、30年の後。この老人の考えと、彼の考えはは結実することとなる。
あらゆる属性、あらゆる種類の魔法を使いこなし、時に魔術師ギルド一員、時に盗賊ギルドのトップとして辣腕をふるうアルパの姿を見ることとなる。
あらゆる困難な窃盗を魔法と身体能力を持って解決していく姿に誰から賭けられたわけでも無いが

究極の魔法使いと呼ばれるようになる。

「ほっほ・・・なんか違うかもしれないが、まあこれも良いものじゃのぉ・・・」
「爺さん・・・あんたいくつだ・・・初めてあった時から爺じゃねえか?」
「ほっほ・・・細かいことを気にすると叩きつけるぞ?」
「それはやめ・・ふぐぅ!!」
「ほっほ・・・歳を取ったせいか暴発しちまったよ。」
「わざ・・・わざとだ・・・」
「ほっほ」

0 件のコメント: